かわさき舞祭の歴史

きっかけはYOSAKOIソーラン

渡里唯舞(渡田中学校)と阿部市長
渡里唯舞(渡田中学校)と阿部市長

よさこいさえ知らなかった私たちは、川崎市の公立中学校が「YOSAKOIソーラン祭り」に出場することになり、その事業を学校外でサポートするために集まりました。

広く果てしない新緑の北海道。街の全てが舞台となり、色とりどりの衣装をつけた踊り子が溢れるスケールの大きなこのお祭りは、たった一人の学生の「街は舞台だ!」との思いから始まりました。
毎年成長し続け、観客動員200万人を誇る第13回大会に中学生とともに参加。

あちこちで繰り広げられる観客を魅了してあまりある素晴らしい演舞に刺激を受けながら、演舞を重ねるごとに大きな拍手を浴びて輝きを増し、更に大きく成長していく子どもたちの姿を目の当たりにして、「表現の場」「相互尊重の場」「地域活性化の源」としての祭りの持つ力を知りました。

「こんな素晴らしい祭りが川崎にあったら、子どもたちはふるさと川崎で輝きだすに違いない。その姿が見たい。」「川崎でこういう祭りを創ってみたい。」
私たちの挑戦が始まりました。

高橋誠さんとの出会い「かわさき舞祭」の誕生

川崎市高津区在住の音楽プロデューサー「高橋誠」撮影
川崎市高津区在住の音楽プロデューサー「高橋誠」さん撮影

6月に北海道から戻り、全ての残務処理を終えた2004年9月。

YOSAKOIソーラン祭りが学生の思いから生まれたものなら、私たちにもできるはず。
なんとか川崎らしさを出すためにYOSAKOIソーランに川崎のテイストをつけて、新しい祭りが創れないものかと悩む中でめぐり合ったのが、舞祭クリエーターとして既に全国各地に9つの舞祭を立ち上げていた川崎市高津区在住の音楽プロデューサー「高橋誠」さんでした。

高橋さんが見せてくださった舞祭で楽しく踊る子どもの姿を収めた写真に感動。
「地元の曲で子どもが元気に舞い踊る地域の祭り」という舞祭の理念は私たちの目指すものと重なり、新しい祭りの名称を「かわさき舞祭」とすることを決めました。

あわせて川崎のテーマソングとして、盆踊りの定番曲「川崎おどり」を下地にした曲と川崎独自のダンスの発注をし、出来上がったのが、「E-JUNC DANCE=川崎おどり2005」です。

始動!かわさき舞祭!!

かわさき舞祭2006
かわさき舞祭2006

2005年1月5日、川崎商工会議所の賀詞交換会での初披露で、私たちは「舞祭の開催」と「E-JUNC DANCEの普及」の二つの目標を掲げて新たなスタートを切りました。 

以来1年半、市内各所をインストラクタが駆け巡り、ワークショップを開催。
E-JUNC DANCEの輪は広がり、2005年3月19日のプレ大会を経て、2006年4月29日、参加チーム23、踊り子600名、観客総数5万人を数え、第1回となる「かわさき舞祭2006」を開催することができました。

あわせて、祭り当日には更なる発展を目指してE-JUNC DANCEの第2弾『好きです!かわさき DON’T KEEP NOW!!』を発表。
完成度の高い楽曲と高難度の振付は、川崎おどり2005を踊れるようになったこどもたちの次の大きな目標となっています。

スーパー舞音の誕生 2011年3月11日 東日本大震災

かわさき舞祭2014
かわさき舞祭2014

2008年にはかわさき舞祭第3弾「明日があるさ~Acid A Girl!~」を発表。
2009年には学校教材として「かわさきの Neigh! E-ROAR」を川崎市へ寄贈し、そこで誕生したのがかわさき舞祭ジュニアプロジェクト「スーパー舞音」です。
次世代のリーダー・チームの育成・各舞祭にてデモンストレーションを行いかわさき舞祭の模範チームとして活動をスタートさせました。
そんな矢先に起きたのが、2011年3月11日東日本大震災。
甚大な被害をもたらし多くの人が命を失い、傷つきました。
被災地には舞祭の仲間も大勢いました。私たちに出来ることはないのだろうか。私たちのダンスで被災地の皆さんに少しでも元気になってもらいたい。
そこで、2014年立ち上がったのが【日本大震災復興祈念事業「希望 夢 未来」子どもたちの心の復興プロジェクト】でした。
被災された皆さんに「希望」がよみがえり「夢」が実現され、明るい「未来」が来ることを願い2014年舞祭アレンジされた曲「祈り~a Prayer~」を寄贈させていただきました。
2015年には「花は咲く~Rise Up~東北」、2016年には「虹を架けよう~福島バージョン~」を寄贈し福島・いわき市にてデモンストレーションを務め、各地でダンスを通じて「心の復興」を願い踊り続けてきました。

そして、未来への飛躍

"舞祭公式カメラマンの「舞祭 おっかけ鯛」さん撮影
舞祭公式カメラマンの「舞祭 おっかけ鯛」さん撮影

かわさき舞祭は2015年で発足10周年を迎え2017年現在は地元チームが5チーム、踊り子100名を超えかわさきだけにとどまらず福島・茨城・秩父など活動の場を広げています。
2008年からは年に一度、かわさきマリエンにて開催される「みなと祭り」でかわさき舞祭を同時開催しています。
より広い会場で大きな拍手を頂けることが子どもたちの自信に変わり、それはかわさき舞祭全体の成長へと変わります。
晴天の空の下舞い踊る姿は、未来の宝そのものであり子どもたちの限りない可能性は未来へのさらなる飛躍を感じさせます。
かわさき舞祭が今後10年…20年と更なる飛躍を遂げ、かわさきの子どもたちにとっていつまでも変わることのない故郷(ふるさと)になりますよう、地域の皆様のご協力と子どもたちの元気に後押しされながら更に力を尽くして参りますのでどうぞよろしくお願いいたします。